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2011年6月

2011年6月21日 (火)

外国人の土地取得どうみる?

 梅雨時の庭のアジサイの花が、淡い緑から紫色に変化をしている。今年の新たな楽しみは花ハスの成長をみることだ。残念ながら、つれあいの当麻よし子市長は多忙なため、その変化をみるゆとりがない。

 いま、ハスの葉がいくつも開いている。この葉っぱは、水をはじく性質をもっているが、花がいつごろ咲くのか、それとも咲かないのか興味がある。

 ハスは丸型の容器で育てている。そのなかにメダカ6匹を飼育し、日に2~3回えさをやり、まるで子どもみたいにメダカの生態を観察している。

 日本は自然に恵まれている。国土の約7割は森林面積で占められている。あとの3割の狭い土地に1億2800万人が住んでいることになる。日本は先進国のなかではフィンランドにつぐ森林大国だという。

 わが家に「森林所有の届出制を創設ー森林法の一部改正成立」というチラシが送られてきた。2010年10月15日、参議院予算委員会で、「外国人の土地取得」を質問した行田邦子議員(民主党)からだ。

 このとき、たまたまぼくは国会中継をみていた。「これぞ参議院議員らしい質問だ」といまでも記憶している。それだけ印象に残った質問であった。

 この質問をした行田(こうだ)議員の「国政報告会」が、6月19日、中央公民館でひらかれた。東日本大震災の具体的なとりくみ・課題を紹介した後、4月15日、全会一致で成立した森林法一部改正のお話になった。

 「日本の法制度では、外国人・外国人投資による土地取得は、所管の省庁がなく把握できていなんですね」「東シナ海の尖閣諸島は、五つの島のうち四つが埼玉県の人が所有する私有地です。国境離島、防衛施設の隣接地はだいじょうぶか、という問題もでてきます」

 「安全保障上配慮が必要な土地、地域については事前の許可制とか事後介入とかなんらかの規制を検討する必要があるのではないか」というのが彼女の問題意識だ。

 その後、民主党内に「外国人による土地取得に関するプロジェックトチーム」ができて、さまざまな観点からこの問題にとりくんでいるという。その成果のひとつが、森林法の一部改正で、森林を所有した者に対する届出制の導入、森林所有者の情報を行政内部で共有できるなどになった。

 いったい外国人にどのくらいの森林が取得されているのだろうか。林野庁と国土交通省の調査によると、2006年~2010年の4年間で、35件、603ヘクタールが確認された。北海道庁も把握をはじめている。いままで外国人の土地取得は役所内部で共有できず、行政の責任所在があいまいになっている、という。

 日本には1925年(大正14年)に制定した「外国人土地法」がある。だが政令もなく機能していない。また国際約束(WTOなど)では、土地取得は外国人であるか否かで規制はしない「内外無差別」の方針をかかげている。

 土地の私権はさまざまな問題をかかえている。いま震災対応でプロジェックトチームの活動は中断されているというが、行田議員は、「わが国には国土利用計画はあるが、重要な国土を守るための国土戦略の視点が欠けているのではないか」と語った。

 外国人に土地取得されていることをどう考えるか? という質問が、国会を動かして、森林法の一部改正にこぎつけている。震災対応どころか、国会は政争に明け暮れているとの感が強いが、まじめな参議院議員らしい所沢での国政報告会であった。

当麻よし子のHPに動画(YouTube)「第5次所沢市総合計画のご案内」を追加しました。新緑の狭山丘陵・トトロの森で撮影しました。ぜひクリックしてごらんください。

当麻よし子の「マニフェスト通信簿」が更新されました。

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2011年6月14日 (火)

名古屋市長と議会の対立

 改選後はじめての所沢市議会6月定例会(6月14日~7月5日)がはじまった。冒頭、東日本大震災の対応・支援について、当麻よし子市長は、「6月3日現在、市民からの義援金は7266万円」と報告した。

 今回、激戦をへて9人の新人議員が誕生した。6月定例会は新人にとってはじめての議会となる。36人の議員のなかで31人が一般質問を通告している。一般質問だけで6日間を予定している。これだけついやす一般質問は全国でも珍しいのではないだろうか。

 4月の選挙では、選挙公報で、有権者にさまざまな公約を載せている。住民の立場にたって、よりよい所沢市政をぜひめざしてほしい。二元代表制にふさわしい議会活動をつづけてほしいと思う。

 この二元代表制については、以前のブログ(2011.1.24)でもふれたことがある。そのとき名古屋市の「首長と議会の関係」に注視したいと書いた。

 名古屋市長選・市議選はすでに終わっている。河村たかし市長の地域政党「減税日本」のうごきはいまどうなっているのか、今後の「首長と議会の関係」にどんな影響があるのか、遠い関東の地から考えるのもムダではないだろう。

 2009年4月に当選した河村市長は、市民税10%減税、議員報酬半減(800万円)などをかかげ議会と対立し辞職。河村市長は独特のキャラクターの持ち主。庶民革命と称して、議会解散の住民投票に成功し、さらに再び2011年2月の市長選に当選した。

 河村市長の市民税10%減税の恒久化、議員報酬半減、地域委員会全市拡大などを実現したい、そのために自分の息のかかった議員をつくりたい。これが3月の市議選であった。減税日本ナゴヤは28人当選(現在1人議員辞職)で、過半数には至らなかった。

 気になるのは減税日本ナゴヤの候補者の選挙公報。河村市長がマニフェストにかかげた議員報酬半減、市民税減税10%恒久化、地域委員会全市拡大が、ほとんどの候補者の公報にあることだ。

 「寄らば大樹」ということわざがある。個性の強い河村市長の影響は大きい。その昔、小泉純一郎ブームが起きて、多くの新人国会議員が誕生した。その歴史をみる思いだ。自治体の首長と議員は、住民の直接選挙で選ばれる二元代表制。それぞれ異なった役割がある。

 大阪には、橋下徹知事の「大阪維新の会」がある。過半数を占めた大阪府議会の大阪維新の会が、6月4日未明、府議会定数109から21人削減する条例改正案を強行採決している。

 名古屋市にしても、大阪府にしても個性の強い首長さんだ。首長ポピュリズム政治という人もいる。だが、二元代表制の執行する側、チェックする側の立場からみると、これでよいのだろうかと思うのは、ぼくだけではないであろう。

当麻よし子のHPに動画(YouTube)「第5次所沢市総合計画のご案内」を追加しました。新緑の狭山丘陵・トトロの森で撮影しました。ぜひクリックしてごらんください。

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2011年6月 6日 (月)

自治基本条例に魂を入れる

 市内全戸配布の「広報ところざわ6月号」に「所沢市自治基本条例」の特集記事が載っている。多くの市民が読まれたにちがいない。

 市民自治の実現をめざして、所沢市自治基本条例が7月1日よりスタートする。これを記念して、6月5日、中央公民館ホールで、基調講演とパネルディスカッションがひらかれた。

 第1部の基調講演は、所沢在住の廣瀬克哉先生(法政大学教授)の「自治基本条例に魂を入れていく時期を迎えて」のテーマであった。「画竜点睛を欠く」「仏造って魂入れず」ということわざがある。立派な条例を苦労しながらつくっても、「眼を入れる魂を入れる」ことが肝要だ。

 廣瀬先生は、「自治基本条例の施行は7月1日だが、できあがってみたものの具体的に何があるのか。抽象的にはわかっていても、多くのひとが具体的になるとピンとこない。動き出すからにはどう使っていくか、条例にこめられた思いは前文にある」ときりだした。

 自治基本条例で何が変わるのか? 先生は、市民ひとりひとりはさまざまな問題をかかえている。子ども、介護、地域経済など、みんな利害・関心はちがう。ぶれない市政には、そのつどではなく「みんなが共通するルールをつくっていくことだ」と。

 ぼくも公募市民50人による基本条例検討委員会のメンバーだった。先生は、条例制定過程の特徴、内容のポイントなどを具体的に指摘された。

  第二部はパネルディスカッション。パネリストは、菅沼庸雄条例検討委員会運営委員長、本橋源一自治連会長、中村太市議会議長、当麻よし子市長のみなさん。進行役は廣瀬先生。それぞれの立場で発言があった。

 条例検討委員会をリードしてきた菅沼さん。「平成21年1月から19ヶ月間、公募市民による検討委員会は49回、運営委員会38回、起草委員会50回、市民による市民対話集会は60回実施した」

 ぼくもメンバーだったが、検討委員会は大変なエネルギーをつかっている。まさに手弁当、市民手づくりの条例案をまとめた。市職員もメンバーになって条例づくりに参加した。

 条例案は昨年9月議会に提出されたが継続審査になった。議会では特別委員会をつくり、今年3月議会で全会一致で修正可決されている。この自治基本条例には、市民も議会も「いい条例にしよう」と汗をかいてきた。

 当麻市長は、「今回、職員も市民のみなさんとコミュニケーションの重要性、会議をコーディネートしていくむつかしさなどいろいろなことを経験させていただいた。ぜひ、この条例にある市民自治が確立していくまちをつくっていきたい」と語る。

 パネリストはさまざまな視点から自治基本条例の今後のいかし方についてふれた。会場から、「条例ができて何が変わるのか、市民自治といっても一般市民にはわかりづらい。具体的にはどうするか、身近な問題で、市民がトレーニングする場が必要ではないか」という声もだされた。

 条例がめざす市民自治を具体的にどうつくっていくかは、これからの大きな課題だといえる。すでに自治基本条例を施行しているみなさんのまちではどんな変化が起きているのだろうか?

当麻よし子のHPに動画(YouTube)「第5次所沢市総合計画のご案内」を追加しました。新緑の狭山丘陵・トトロの森で撮影しました。ぜひクリックしてごらんください。

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