どうなる日本の食料自給率?
航空公園駅ビルに小さなスーパーがある。店外に野菜がたくさん並べられている。地元生産者の氏名が書かれている野菜が売られている。所沢産のサトイモ、にんじん、ごぼう、ねぎ、レタス、ブロッコリーなどだ。
病院の帰り、ちょっと店内をのぞいてみた。どのスーパーも同じだが、季節感をだしたいのだろうか、入口付近には野菜・果物がおかれている。最近は生産地がわかるように県名や国名が表示されている。1年前の中国製冷凍ギョウザ事件などもあり、消費者は「安心なものを選びたい」というこだわりがある。
狭い野菜・果物売り場には外国産もある。主に果物類だが、ニュージーランド、ベルギー、タイ、メキシコ、フィリピン、カリフォルニア、フロリダという国名・地名が表示されていた。魚肉などの食品、冷凍食品となると世界中から日本は食料を輸入しているにちがいない。
わが家は30年以上、生活クラブ生協にかかわっている。寒いみぞれのなか、今日も生協の品物が配達された。生協は店舗をもたない班購入が中心だ。この計画購入足りないので、ぼくは近くのスーパーで買い物するが、安心かどうか、ものによって商品表示をよくみることがある。
先日、所沢市民大学で2回にわたって「日本と世界の食料・農業」の講義があった。講師は柏雅之先生(早稲田大学教授)。
先生は、世界の食料需給予測、人口予測、とくに中国の食料問題にもふれた。最近の中国は経済成長がいちじるしい。「中国では、2年間で、日本の総耕作面積(470万ha)相当分が消失している」、中国の都市住民の食生活が大きく変化して、いま農産物の輸入が急増している、と。
ぼくの興味深かったお話は、農業の多面的機能についてであった。多面的機能とは、農業の役割は農産物の生産だけでなく、国土の保全、、水源の涵養、自然循環の保全、景観、保健休養など大きな役割をはたしている機能。農業生産だけでなく、これらの機能が環境や生活にも影響をあたえているというなかみ。よく考えてみると、多面的機能のメリットがたくさんありそうだ。
日本の食料自給率は40%。1965年には73%だったのが年々低下している。主要先進国では最低の自給率に落ちている。まさに日本は輸入にたよりきっている。ブッシュ前大統領は、「食料自給できない国を想像できるだろうか、これは国際圧力と危険にさらされている国である」(2001年)といっている。そのアメリカの自給率は128%(2003年)。
いま世界はグローバル化の時代。世界規模で競争と利益優先の市場原理が貫徹されている。農産物も例外ではない。1995年に設立された世界貿易機関(WTO)の農業交渉も各国の利害が複雑にからみあっている。
輸入に依存している日本の農業のゆくすえはどうなるのだろうか。その昔、じいさん、ばあさん、嫁さんの「三ちゃん農業」といわれたが、いま日本農業の従事者は昭和一けた世代が多い。首都近郊の所沢市も例外ではない。調べてみると、1965年当時の所沢市の世帯は2万だったが、農家数は約3500、いま14万世帯で農家は約1800。いかに減少しているかがわかる。
人間にとって絶対に必要な食料。自給率40%だけの食事はどんなものになるか、シュミレーションをみたことがあるが、あまりにも食卓がわびしい状況になってしまう。どう自給率を高めていくのか、それとも現状のまま輸入に依存していくのか、近くおこなわれる総選挙の争点の一つになりそうだ。
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