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2009年1月

2009年1月28日 (水)

オバマ政権で何が変わるか

 「なぜ、60年たらず前だったら地元のレストランで食事をさせてもらえなかったかもしれない父をもつ男が、(大統領就任の)神聖な宣誓のためにあなたたちの前にたつことができるのか」。これは1月20日のアフリカ系のバラク・オバマ米大統領の就任演説の最後に自分をひきあいにだした部分だ。

 この演説で思い出すことがある。いまから半世紀前、ぼくは所沢高校の英語部のメンバーだった。週一回、熱心に英語を教えにくる二人の黒人兵がいた。一人はフロリダ州出身のハナさん、もう一人はアーカンソー州出身のコールマンさん。二人はジョンソン米空軍基地(現在の航空自衛隊入間基地)に勤務していた。

 当時のアメリカは人種差別のはげしい国だった。肌の色で日常生活が差別されていた。海外ニュースでアメリカの人種差別の報道も目にしたことがある。だが、つたない英語では、軍隊内ではどうだったか聞くこともできなかった。ハナさんが日本人の女性と結婚するという話は聞いていた。フロリダに帰るとどんな差別のなかで生活するのかな、と複雑な気持ちになった。

 ぼくは、この二人の黒人兵から英語をまなんだが、いまでも記憶に残っていることがある。一つは、1960年のアメリカ大統領選挙のゆくえの話になり、ケネディはニクソンに負けるだろうということ。結果は民主党のケネディが勝利した。二つには、「ハンバーグを食べたことがあるか?」と聞かれたこと、当時みたことも食べたこともないので、説明されてもイメージが浮かんでこなかった。もう一つは給料のことだ。

 当時1ドルは360円。若いアメリカ兵の週給は80ドル。月給にすると320ドル。日本人の10倍ぐらいの給料だった。大型の自家用車、ハンバーグ、高給などは、当時の高校生にとって、豊かなアメリカを象徴しているといっても過言ではないだろう。

 そのアメリカが、いま世界金融危機の端を発している。就任演説でオバマ大統領は「経済はひどく疲弊している。それは一部の者の強欲と無責任の結果だ」「家が失われ、雇用は減らされ、企業はつぶれた。医療費は高すぎ、学校は、あまりにも多くの人の期待を裏切っている」とのべている。

 アメリカはもともと移民社会。オバマ大統領は、アメリカ人の価値観は、「勤労と誠実さ、勇気と公正さ、寛容と好奇心、忠誠と愛国心といったものだ」とのべ、「私たちに求められているのは、新たな責任の時代だ。それは、私たち自身やわが国、世界に対する責務があると認識することだ」と演説している。

 選挙中のキャンペーン「チェンジ」はたった2回しか使っていない。選挙戦で、民主党のオバマは圧倒的な勝利はしていない。選挙人の最終結果でオバマは69%とっているが、一般投票の得票率ではオバマ52%、共和党のマッケィン47%とかなり接戦している。彼のたんたんとした就任演説は現実的にならざるをえないのが背景にあるのだろう。

 ブッシュ政権とは違い、外交路線は一国単独行動から他国間協調に転換する姿勢がみられるが、新自由主義にもとづく経済の市場原理の転換は簡単ではないだろう。

 豊かなアメリカを象徴した中産階級でさえ貧富の格差がおきている。とくに1980年代のレーガン時代から庶民に年金、老人医療用の社会保障税への税負担、一方で富裕層への大幅減税の政策にかわっている。富めるものはさらに豊かに、貧しいものはさらに貧困に陥っているのが現実だ。

 今朝(1/28)の朝日新聞の「経済危機インタビュー」の記事は興味深い。ニューヨーク市立大学のハーベイ教授は「個人の自由や私有財産を重んじる思想と、政府は市場に介入してはならないとする経済学とが結びつき、上層階級により多くの富を分配してきたのが新自由主義だ」「現に、政府資金の統合は、新自由主義的な支配力の再生・強化につながってゆくだろう」と答えている。

 オバマ新政権は、対テロ、環境などブッシュ政権との違いをみせているが、世界経済の悪化のなかで、どこまで政治・経済をチェンジできるか、注目したい。

 

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2009年1月18日 (日)

オバマさんのメッセージは?

 「人民の、人民による、人民のための政府」。このフレーズは誰でも聞いたことがあるだろう。アメリカのリンカーン元大統領の有名な演説の一部だ。1863年11月、ペンシルバニア州のゲティスバーグでの戦没者墓地でのわずか3分程度の短いスピーチの一節だ。

 ゲティスバーグは南北戦争の激戦地のひとつ。ぼくは2回、この戦場跡地を訪ねたことがある。ゲティスバーグの戦場は広大な丘陵地。戦いは、1863年7月1-3日の間であったが、犠牲者(戦死、負傷者)は2万3千余。結果は北軍の勝利で終わった。

 戦場跡地には記念碑、大砲などがあちこち置かれている。広いので、車で移動して戦跡をみることになる。博物館には、さまざまな小銃、兵隊服、軍帽、南北軍の戦闘進路図などが展示されている。南北戦争は1861-1865年の期間。日本でいえば幕末の時代だ。

 南北戦争の戦死者は62万人といわれている。興味深いことに、アメリカは独立戦争、南北戦争、第一次、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争などを戦っているが、アメリカの歴史上一番戦死者の多かったのは南北戦争だ。次に多いのは第二次世界大戦で32万人。日本は310万人、ソ連は2100万人、中国は1100万人といわれているのでケタ違いに少ない。

 有名なリンカーンのスピーチは「名誉ある戦死者たちが最後まで完全に身をささげた大義のために、私たちも一層の献身をもってあたること、これらの戦死者たちの死をむだにしないと高らかに決意すること、神の導きのもと、この国に自由の新たなる誕生をもたらすこと、そして、人民の、人民による、人民のための政府をこの地上から絶やさないことこそが、私たちが身をささげるべき大いなる責務なのです」という前置きがある。

 1月20日に就任する民主党のオバマ次期大統領は、宣誓で用いる聖書は、リンカーンが就任式で実際に使用したものを使うという。リンカーンを意識したイメージ戦略の就任式になりそうだ。独立宣言(1776年)が採択されたフィラデルフィアからワシントン入りしたオバマ新大統領は世界にむけてどんな演説をするのだろうか。

 いまグローバル化でヒト、モノ、カネ、情報が世界中に飛び回っている。その本質は、利益優先の市場主義原理だ。グローバル化は世界の米国化、社会のマクドナルド化という人もいる。マクドナルド化とは脱人間化をおしすすめ、生活スタイルをスピード、画一化している姿といえる。

 豊かな生活を実現した国はアメリカといえるだろうが、貧富の格差も大きい。アナリストの小林由美さんは「2001年には、全世帯のトップ1%が、全米の富の33.4%を保有し、次の4%が25.8%、要するにトップ5%が60%の富を握り、次の15%が25.2%、合わせてトップ20%が84.4%の富を握っている」(超・格差社会のアメリカの真実)と指摘している。

 新自由主義のイデオロギーで、世界中に影響をあたえているアメリカ。ブッシュ政権のイラク戦争のあとしまつ、100年に一度といわれる世界不況のなかで、オバマ新大統領はどんなメッセージを発信していくのか、世界が注視しているにちがいない。

 今日、お隣の川越市の市長選挙が告示された。ここでも「チェンジ」のプラカードが掲げられていた。わが国の麻生政権支持率はわずか20%。一日も早くチェンジしたいものだ。

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2009年1月13日 (火)

山口地区の新春のつどい

 12月27日に始まったイスラエル軍のパレスチナ自治区ガザへの攻撃で、パレスチナ側の死者は900人を超え、負傷者は4000人近いという。イスラエルは「テロ撲滅」といっているが、多くの子どもたちがいま犠牲になっている。

 先日、所沢交通安全協会山口支部の大山・阿夫利神社の初詣の帰り、八王子の道の駅で買ったのがイスラエル産のかんきつ類。表面はグリーンだが、なかは甘い。罪のないパレスチナの子どもまで犠牲になっていることを思うと、不買にしたい気持ちになるが、話の種に数個買った。今朝、つれあいとこの果物を食べていると、ラジオでガザ攻撃の報道をしている。

 遠い中東の紛争当事国イスラエル。そのイスラエル産の農産物が身近なところで売られている。果物ひとつとっても、市場主義原理にもとづく農産物のグローバル化がすすんでいる。売れれば世界のどこへでも、日本もカネで買えれば、という発想になってしまっている。

 さて、1月は新年会のシーズン。世界不況のなかであっても、新年は「今年こそ」という新たな気持ちになる。つれあいの当麻よし子市長は、新年度予算の市長査定のあいまをくぐって、市内各地でおこなわれる新年会に出席している。ぼくは「山口地区新春のつどい」に参加した。会場は、西武ドームとなりのレストランだ。

 山口地区の人口は約3万人。会場には町内会・自治会の役員、各種団体の役員、西武ドームの支配人など200人余が集まっている。前年までテーブル席のつどいであったが、今回は立食形式。

 来賓の市長は、「①今年は7年ぶりに、こども未来部などの機構改革を行ないます。一人暮らし、二人世帯がふえていますので、安心できるように11行政区のまちづくりをすすめたい。②総合計画、まちづくり条例なども市民参加ですすめたい。③並木東小学校の跡地は4月から生涯学習センターをスタートさせます。きびしい経済情勢ですが、くらしを守る視点から有意義な予算編成にしていきたい」などとあいさつした。

 新春のつどいは、顔なじみの人、ひさしぶりの人、はじめてお会いする人などさまざまだ。自動車修理業の人に「車関係の景気はどうですか」ときいた。「よくないですね。例年、年末には修理依頼の電話が多くあるのに今回はないですよ。今後の予測がつかない。9月頃から景気は悪くなっていますね」。

 テーブル席とちがい立食のため、気軽に会場内を移動できる。料理は自分で皿に入れて食べる立食はムダがないな、と思った。地区の新春のつどいは、今年もよろしく、元気で地域のためにがんばりましょう、また情報交換という意味あいが強い。

 11行政区のひとつ山口地区にもたくさんの団体が活動している。自治会・町内会のほかに、環境推進委員会、防犯協会、青少年を守る会、民生委員、交通安全協会、消防団、体育協会、公民館サークル協議会、更生保護女性会、岩崎獅子舞保存会、柳瀬川をきれいにする会など多くの団体が活動している。

 地域のことは地域でよくしていこう、そんな山口地区の新春のつどいであった。

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2009年1月 7日 (水)

定額給付金は必要な政策?

 「ネクタイの結び方を教えてね」と、今朝つれあいがいった。男のぼくにとってネクタイは簡単に結べる。何十年も背広姿ですごした経験者だ。横にならんで手本をしめす。

 今日は恒例の消防出初式。消防の制服姿(モール付)、制帽姿ででかけた。年に数回しかない女性市長の制服姿(昨年)だ。出初式の後は公務がびっしりなので着替え持参。

 正月三が日のつれあいは、書類整理、部屋の掃除、洗濯、料理などに明け暮れた。ごく平凡な正月の過ごし方だ。こんな姿をみるのはめったにない。男のぼくにとってはホッとするときだ。

 今年の公務は1月5日が仕事始め。前日、所沢市文化センターへ「2009ミューズ・ニューイヤーコンサート」に二人ででかけた。プログラムは、シュトラウス2世の「こうもり序曲」、ベートーヴェンの「皇帝」、ドヴォルジャークの「新世界」。東京交響楽団の演奏で、指揮は秋山和慶さん、ピアノは中村紘子さん。これも年末の「第九」と同様、会場は満員だ。

 余韻にひたるまもなく、帰宅すると、つれあいは5日の「市長年頭訓示」の原稿に手をいれた。今年も超多忙な毎日がつづきそうだ。

 世界的な不況のなかで、今年の日本の政治・経済の流れはどうなるのだろうか。自動車産業の売り上げ減、派遣労働者の首切りなど、毎日のように暗いニュースが報道されている。地方自治体にとっても、大幅な税収減も予測されている。

 そんななかで、通常国会が5日から始まっている。定額給付金の受け取りを辞退する考えをしめしていた麻生首相は、今度は「そのとき考えたい」と前言をひるがえす発言。

 昨日の代表質問で、民主党の鳩山幹事長は、「その場限りの究極の大愚策。2次補正から切り離し、自治体が自由に使えれば、病院や学校、社会福祉など住民の声が生かされる」(1/7朝日新聞)と提案した。

 これで思い出すのは、昨年の12月議会での荻野泰男議員の市長への質問。2兆円の定額給付金の評価は、所得制限について、窓口の事務作業量はどうなるかなどの質問に、当麻よし子市長は「大きな経済効果はない。全国市長会でも窓口が混乱し事務量が増大する、所得制限は設けないよう要望している。試算では所沢市に約50億6千万円入ってくるが、年度末の事務量が膨大で憂慮している」と答弁。

 「市長の裁量で50億円使えるとしたらどうするか」との質問に、「いろんなことができる。所沢の場合、小児救急医療、周産期医療、小中学校の耐震化改修などに使える。私としては、せめて十分の一でもよいから、自治体の裁量にまかせてもいいんじゃないか、と実感している」と答弁している。財政難で、どこの首長も同じ思いがあるにちがいない。

 なんのための2兆円の定額給付金なのか、生活支援と経済対策というが、最近では国会議員も受け取るべきとの発言もある。こうなるとバラマキというよりいいようがない。各種世論調査をみても、「景気対策の方法として不適切、ばらまきだ」が7割を超えている。

 900兆円近くの赤字をかかえている国家財政から、気前よく一人1万2000円、2兆円という莫大なお金をあげます、という政策に国民は納得していない証拠だ。

 不況で路頭に迷う失業者対策、中小企業対策、福祉、医療、教育支援など、すぐにでも手をつけたい緊急事業はたくさんある。ぜひ国会でしっかり議論をしてほしいものだ。

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